何気なく口にしている展示場。食べ物で言えば「試食」、服で言えば「試着」に値するショールーム、モデルハウス、内覧会。普段気にすることもない3種類の展示場ですが、使い分けが効果的ってご存知ですか?
どれも大体一緒じゃないの?と思いがちですが、実は全く性質が異なるんです。住まいづくりにおいて各段階と知りたい目的によって効果的な場所へ見に行くことをお勧めします。それでは一緒にそれぞれの特徴を掴んでいきましょう。

 

〇ショールーム(以下、SR)


実物が見たい、素材感を確かめたい時に効果的なSR。大きく分けて2つ種類があり、ユニットバスやキッチン、トイレなどの商品メーカーSRとリフォーム専門店などが展開するSRです。前者はメーカーならではの品揃えがメリットである一方、同一メーカーの商品のみの展示となるのでメーカーを横断しての商品比較はできません。後者はメーカーの垣根を越えて比較することはできますが、品揃えは限定されるという一長一短があります。いずれにしてもSRは実物の大きさや、色、使い勝手などを確認ができる展示方法で言わずもがなモノの確認が目的となります。

 

〇モデルハウス(以下、MH)


住宅の最新情報を得られる展示方法です。ハウスメーカーや工務店の最先端の技術や性能などの特徴が1/1スケールで見ることができます。ショールームとは違い、空間の中でモノの確認ができるため、より現実的なイメージが湧きやすいでしょう。ショールームは会社が持つ総力の結集ですから、どういった事を大事に家づくりをしているかが分かると思います。また、案内してくれる担当者も建築の事のみならず、資金面や不動産、税金など家づくりに必要な要素を包括的に押さえていることが多いので、方向性を決める段階で行くのもアリですね。家づくりは多岐に亘る内容と長期に亘る打ち合わせが必要ですから、段階ごとにMHも見え方も変わってきます。同じ建物でも家づくりのステップごとに「そんな目線で見たことなかった!」という発見があるところが楽しいところでもあります。MHは全体的なコトの確認が目的ですね。

 

〇内覧会(OPENHOUSE)


住宅問わず実際の建物が完成した時に行われる内覧会。週末に開催されることが多く、その時限りの場合がほとんど。MHがあるのにわざわざ内覧会の日程に合わせて行かなくても…と思うかもしれませんが、内覧会のメリットを侮ってはいけません。考えている方はむしろ日程を調整してでも見ておくべきです。なぜならノンフィクションだから。分譲マンションや建売住宅、リフォーム済中古住宅はさておき、注文住宅やリノベーションの内覧会は家主と打ち合わせした上で完成した建物で、実際に住まう家です。ということはリアルな背景や暮らしが見られるんです。決してSRやMHが悪いという訳ではありませんが、こちらはフィクション。あくまで"想定"で作られた建物であってリアリティには少し欠けるところがあります。家づくりを考えた時に展示場に求めることはその後の生活がイメージできるかどうか、ですよね。方向性を決める段階や比較に入っている段階であれば、スケール感の掴みにくいSRや全てを盛り込んだMHより現実味があって、自分に当てはめやすいのです。もちろんさまざまな家族背景がありますから、全ての内覧会が当てはまる訳ではないものの、施主の要望を予算内でどこまで表現できているか、業者の実力も分かることでしょう。それに完成内覧会が開催されるという事は施主と業者が良好な関係を維持できているということですから、定期的に開催しているのであれば尚安心できますね。内覧会は暮らし(ヒト)の確認が目的です。

 

〇ショールームはモノの確認
〇モデルハウスはコトの確認
〇内覧会は暮らし(ヒト)の確認

 

見に行く順番に決まりはありませんが、新築やリノベーションなど暮らしそのものを変えていく家づくりであれば、内覧会で「家づくりとはなんぞや」という暮らしのモノサシを知り、モデルハウスで「住宅とはなんぞや」というコトのモノサシを知り、ショールームで「商品とはなんぞや」というモノのモノサシを知る。そういった順番で五感で体感していくことにより全体像がくっきり見えてくるでしょう。