「そろそろお手入れ時ではありませんか?」

戸建住宅をお持ちの方ならこんな勧誘電話や訪問販売を一度や二度は経験あるのではないでしょうか。屋根や外壁のメンテナンスは本当に必要なのか、そもそも塗装する意味ってあるの?そんな素朴な疑問にお答えしていきましょう。

 

勧誘方法はさておき、なぜメンテナンスが必要なのでしょうか。屋根素材の種類から考えていきましょう。大きく分けて3種類あります。

1.金属屋根

いわゆるトタン屋根。形状はさまざまですが、鉄板に亜鉛メッキで保護をしたものを指します。でもこれは高度成長時代に使用されていたものなので、昔の金属屋根。新品なら強度はありますが、よくサビてくれます。近年主流だったのが、ガルバリウム鋼鈑という聞きなれない素材。アルミが約半分配合されているのでサビにくいという特徴があります。この材質が一番多いのではないでしょうか。それでも一般的には10年~15年で塗膜が紫外線などで褪せてくるため塗装メンテナンスが必要となります。

金属屋根は基本サビます。サビ始めくらいなら問題ありませんが、放置すると穴が開き、構造体まで傷めることもありますので注意しましょう。

ここ数年でデフォルトになりつつあるのが、SGLという素材。GLというのがガルバリウム鋼鈑の略称なのですが、次世代ガルバリウム鋼鈑を意味します。穴あき25年保証が標準で、耐食性は従来のガルバリウム鋼鈑の3倍超というから驚きですね。1世代分はメンテナンスフリーと言っていいでしょう。

 

他にも社寺建築で良く使われる銅板やステンレス、金属屋根の最高峰チタンなどがありますが、一般的ではないので参考までに。

 

 

2.化粧スレート屋根


ハウスメーカーに多く採用された屋根。セメントや繊維質原料などで作られた素材で、発売当初は安価で耐久性もあると言われていましたが、アスベストを含むものがあり、現在では使用禁止になっています。ただ、瓦屋根と比較すると軽量で施工性も良いことから、アスベストを含まないスレート屋根は広く使用されています。シンプルでデザイン性もいいですしね。

難点はメンテナンスに手間が掛かることと、寒冷地に向かないこと。

まず前者ですが、相手はセメントです。製品塗膜が経年劣化により剥がれてくると塗装が必要になるのですが、塗料を吸い込むわけですね。同じ面積でも使用する塗料の量が必然的に多くなってしまいます。また、塗膜の持ちもあまり良くありません。

後者の寒冷地についてですが、凍害を起こす心配があります。塗料を吸い込むという事は水も吸い込むということ。冬は凍りますよね。染み込んだ水が内部で凍るとどうなるでしょう?そう、氷の方が体積が増えますね。約10%膨らむので材料を割ってしまうのです。屋根が割れたら大変です。

その後のメンテナンスや費用対効果を考え、金属屋根に変更する方も増えてきています。

 

 

3.瓦屋根


瓦は日本古来からの素材で原材料は土。茶碗と一緒で陶器です。陶器って色褪せることはないですよね。だから耐久性抜群。重厚な作りで、日本の原風景にもマッチする風情ある屋根です。でも、重厚だけあって重量もなかなか。瓦も何種類かありますが、一般的な陶器瓦で一般的な大きさの住宅に載せると普通自動車4台~5台分載っている事になります。それでもビクともしない住宅の構造は頑丈と言えます。

とは言え、2011年の東日本大震災など、震災により多くの瓦屋根が被害を受けました。何事もない日常であれば全く問題ない住宅も、さすがに自動車5台も載ってれば無害とはならないのです。「瓦万年、手入れ毎年」とでも言いましょうか。瓦自体は非常に良い素材ですが、以前は4~5枚ごとに一か所留められていただけなのでズレるわけです。震災以降は一か所ずつ丁寧に留めるのはもちろん、軽量な瓦へとシフトしています。それでも相変わらず日本古来の陶器瓦や燻し瓦は根強い支持があります。

 

さぁ、代表的な3種類が出揃いました。ここまで読んでいただいた方はなんとなく屋根のメンテナンスの必要性をご理解いただいたかと思います。

一般的なメンテナンスは塗装というイメージがありますが、それは金属屋根やスレート屋根の場合。既存屋根の特徴をよく知り、適切なメンテナンスを施していくことが住宅の寿命を延ばします。

1.金属屋根    :塗装・葺き替え(交換)

2.化粧スレート屋根:塗装・葺き替え(重ね葺き)

3.瓦屋根     :補修(ズレ・割れ)・部分交換

 

屋根は特に目の届かないところにあります。気づかない内に傷んでいてメンテナンスではどうにもならない状態になっていた…なんてことのないよう、自分の目で確認し、プロに相談してみましょう。