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農業をビジネスにする

弊社所在地「山形市」は盆地という地形から夏と冬、昼と夜の寒暖差が大きい事や、災害が少ないことから多種多様な農産物を生産しています。

山形と聞いて思い浮かべる農産物はさくらんぼやラ・フランスなどの果樹が多く、豊な自然に恵まれていることが分かります。

山形に限らず、年々農業就業人口は低迷しています。
山形市の場合、平成27年で3,634名の方が農業従事されていますが、約半数は70歳以上。14,000名の方が従事していた昭和55年から35年で75%減少してしまっているんです。

ということは令和3年現在ではもっと減少していることでしょう…

そして平成25年の山形市市民税における農業所得の構成比はわずか0.3%
参照:第六次山形市農業振興基本計画

農業は危機的状況と言わざるを得ません。

なぜこのような状況になっているのでしょうか。

キツイから?
汚れるから?
時代錯誤だから?

いいえ、理由は至ってシンプルです。

生計を立てることが難しい

これに尽きます。

さらに深堀してみましょう。
なぜ難しくなっているのでしょうか。

さまざまな要因があるかと思いますが、「事業性」がなくてもやってこれた構造に起因すると考えられます。

建設業と比較してみましょう。

建設業にもたくさん業種があります。基礎、大工、電気、設備、板金、内装、左官、etc…さまざまな職人がいます。

でも、仕事がなければ職人が活躍できる場はありません。

職人をまとめる現場監督がいて、図面を仕上げる設計士がいて、顧客と打ち合わせをする営業がいて。どこまで内製でどこまで外注かはさておき、生計を立てるためのチーム(元請会社)がたくさんあるから価格、差別化の自由決定権があり、切磋琢磨できるという環境にある。

フローとしては元請会社は顧客獲得のため、需要と自社の強みを活かせるターゲットを定めて商品開発をし、広報・広告にコストを掛け、営業が設計が商品を販売する。販売した商品は設計・現場監督に伝達され、顧客と打ち合わせを繰り返し、現場職人の手で商品(建築物)が造られ、納品となる。

当たり前ですが、事業であるということです。

それでも職人の数は減ってきているんですけどね…

一方、農業はどうでしょうか。

ごく一部では建設業のようにチームを作っているところはあっても、ほとんどは職人と市場のみなんです。もちろんスーパーや百貨店など流通を通して販売する会社はたくさんありますが、生産者と直接やり取りして販売管理できる元請が限られているということですね。

大半の農業のフローは生産して指定納品先へ出荷または販売するというシンプルな構造です。

そうなると価格や差別化の自由はなく、収入は生産量に比例してしまいます。生産量に比例するということは大規模な投資が必要となります。
そう、大農家しか勝てない仕組みです。

大農家しか勝てないと言っても、今年のように新米価格が大幅に下落してしまうと一気に赤字へ転落します。

収穫前(販売前)から赤字が分かってしまう、分かっていながら販売しなければいけないなんて…。

そういったリスクを減らすために複数の農作物生産、商品展開、そして販路開拓している所でしか安定経営はできないということになります。

でも見方を変えると希望は見えてきます。

他の業界だって最初は小さい

どの業界の事業も最初は小さいところから始まります。最近は社長一人で始めるとこも多く、そこから事業規模に合わせて外注するか雇用するか経営判断していきます。

事業の要素はたくさんありますが、「販路があるかどうか」は重要です。広報、広告、集客、営業、差別化など「売ること」「顧客に喜んでもらうこと」にコストを掛けます。

この自分(自社)で販売するという意識が農業では良くも悪くも希薄になっていると感じます。

農家は作ることが仕事

いや、いいんです。

農家さんは作ることが仕事でいいんです。建設業で言うと「職人」ですから営業や販売が苦手だったり、したくない方はごまんといます。

どちらかというと仕組みの問題です。

季節性があるし、気候変動にも左右されやすい農産物という商品ですから、生産者からしたら安定出荷を自分の責任のもとですべてを負うのはリスクがあります。だから市場が間にあり、安定供給をしているという構造になります。

けれども、時代は進みました。

SNSがあって、WEBページも簡単に作れて、欲しいという人と直接つながることができる時代に販路を作ることは以前に比べたらずいぶんハードルが下がりました。

課題は農家が長年「販売」という仕事の接点不足。

こんな値段で売って大丈夫なのか。
商品なんて作れない
SNSはやっているけれどそこから売れるなんて想像できない。

そう言った声は多く聞きます。

全部自分(自社)でやろうとするから大変

前述の通り、農業は季節性があり、売上が安定しなかったり、作業工程によって人材が必要な時もあればそうでもない時期もあったりで常用雇用が難しい業界です。

農作業のみであれば。

「売ること」「顧客に喜んでもらうこと」までを仕事と捉えれば、毎月やることは安定して山積みです。

・需要調査
・需要に基づく商品開発
・商品に基づく販路開拓
・販売管理
・継続的な顧客フォロー

顧客は24時間365日何かしらの食べ物を口にしているわけですから、需要が尽きるという事はありません。

ただ、これらのことを全部自分や自社だけでやろうと思うと気が遠くなりますよね。

今は需要調査や商品開発、販路開拓などは専門家やデザイナーなどとチームを組むことで解決したりします。

餅は餅屋ってことですね。

経営資源を自社で抱えるのは自社販売で売れてから遅くありません。嬉しい悲鳴を上げてからでいい。

当社では信頼できるクリエイター、シェフ、専門家と共に、尖った視点で農業ビジネスをサポートします。

共に嬉しい悲鳴を上げて、違う景色を見に行きましょう。

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